腸と脳の関係

以前から健康に対する腸へのアプローチの大切さを書いていましたが、新しい情報があったのでご紹介します。
脳研究者の池谷裕二さんさんは、以前わたしが大きい選択をするきっかけをくれたかたです。
そんな池谷裕二さんの、今年発売された書籍「できない脳ほど自信過剰」に腸の情報がありました。

できない脳ほど自信過剰

できない脳ほど自信過剰


池谷さんの書籍はどれも面白くわかりやすく大好きです。

誰にとっても腸の健康は大切だけど、敏感なHSPさんだとより効果が感じられるから腸運動おすすめ!と言っている理由の説明のひとつとしてとても分かりやすいので、引用紹介させてもらいます。

記事内の引用元はすべて「できない脳ほど自信過剰/朝日新聞出版社 池谷裕二(著)」より「V 見えない世界」内の「100兆個もの最近と共存する私たち」「自閉症は腸内細菌で治療できる! ?」より。

腸内細菌の影響

人間の体内には100兆個もの細菌がすんでいます。その体内に常に存在している菌の集合体がミクロビオームと呼ばれているものです。

どのような種類の菌が存在しているのかは、人によって大きく異なります。
例えば牛乳を飲んでもなにも起こらない人がいれば、好きだけど飲んだらお腹をこわしてしまうから飲めないといった、食べ物が体質に「あう、あわない」というのは体内の細菌の違いによるものだということですね。

意外に思われるかもしれませんが、ミクロビオームは脳にも影響を与えます。
うつ病などの精神疾患だけでなく、性格や気性にまで影響を及ぼすことが知られています。
免疫細胞やホルモン、栄養素を介して、間接的に脳に作用するのでしょう。

カルフォリニア工科大学のマツマニアンに博士らが「セル」に発表した論文にて、「腸内細菌で自閉症を緩和することができる」という内容が発表されたそうです。

腸と脳は密接に関係しています。
腸内細菌も精神状態に影響を与えることはすでに知られています。
しかし、自閉症スペクトラム症(ASD)はいわゆる発達障害の一種です。
つまり生まれつきの症状です。
これが腸内細菌で治療できるとはどういうことでしょうか。
今回の発見を私なりに消化するまでに時間を要しました。

このあと本書ではどのような実験がおこなわれ、どのような結果から結論づけられているのか、池谷さんが分かりやすく解説してくれています。
興味がある方はぜひ読んでみてください。キーワードは炎症性腸疾患です。

炎症性腸疾患は、ASDだけでなく、うつ病やある種の知的障害などにも見られる症状です。
今回のデータは、これまで対処が難しかった精神疾患発達障害への治療の糸口になるかもしれません。

腸内細菌は変化する

そして重要なミクロビオームは当初安定して変化がないと考えられていましたが、その後の研究で食事メニューを変えることで変化することが分かったそうです。

これを取り上げ、池谷さんは下記のようにまとめています。

逆にいえば、ミクロビオームが安定しているように見えるのは、私たちがいかに、年間を通じて、ほぼ同じような食べ物しか取っていないことを示しています。
これは、腸内細菌に気を遣っていないということの証拠でもあります。

言われてみれば、食事のメニューに気をつかう場合でも、脂肪分や糖分やビタミンなどの成分には気が回りますが、腸内細菌への関心は低いようです。
腸は健康の源です。もっと気を遣われてよいはずです。

食べ物で腸内細菌を、そして腸運動で腸そのものを元気にしてあげることは、精神的にも身体にも重要なことがよくわかります。

これまでもわたしが通うイルチブレインヨガでは腸運動を推奨し実践してきました。
腸を元気にすれば脳に影響します。影響された脳はまた全身へ良いものをフィードバックします。

心と身体と脳はすべてつながっているからこそ、瞑想・運動・食事などでバランスをとることが大切なのです。
まずは、わたしも改めて腸運動しっかりやろう!と思いました(^^)